オフショア人民元 基礎知識

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2009年7月のクロスボーダー人民元決済解禁以降、中国本土と中国本土外の人民元取引(主に送金)は段階的に拡大、オフショア人民元市場も世界全体に広がっています。このコーナーでは、オフショア人民元に係る簡単な基礎知識をご紹介します。

クロスボーダー人民元決済の進展イメージ

  1. 2009年7月以前
  2. 2009年7月以降 当初
  3. 2009年7月以降 現状

人民元の「2つ」の市場

中国人民元の場合、2009年半ばまでは中国本土内(オンショア)でのみ人民元決済が行われていました(オンショア人民元市場)が、その後、中国本土外(オフショア)での人民元決済が段階的に認められ、香港を中心としたオフショア人民元市場が発展してきたため、現在はオンショア人民元市場、オフショア人民元市場が共存する形となっています。

オフショア人民元市場の成立

2009年7月のクロスボーダー人民元決済の解禁(中国人民銀行等、6部門より公布)を受け、オフショアでの人民元の取扱が始まり、更に2010年7月に中国人民銀行、香港金融管理局が人民元業務に関する協力の覚書を締結し、香港の銀行に一部人民元建てサービスを認めたことから、本格的にオフショア人民元市場が立ち上がりました。

オンショア人民元市場とオフショア人民元市場の関係

オフショアの金融機関は限られた場合を除き、オンショア人民元為替・金利市場にアクセスすることができず、またオンショアの金融機関も原則オフショア市場にアクセスすることができません。その結果、両人民元市場の取引参加者は異なり、レートは基本的に異なります。

オフショア人民元市場と中国規制の関係

基本的にオフショア人民元市場における人民元為替・資金取引は中国国内規制の対象ではありませんが、中国国内で規制・制度変更があった場合、オフショア人民元市場でのレート(為替・金利)に影響が及ぶ可能性があります。

人民元の表記について

市場では、「オンショア」での為替・金利取引を「CNY」取引、「オフショア」での為替・金利取引を「CNH」取引と呼ぶのが一般的ですが、実際に決済を行うに際して異なる通貨、貨幣が存在する訳ではなく、国際決済システム上での人民元の表記は「CNY」に統一されています。

直接為替取引市場

日中政府間の合意により、2012年6月より、日本、中国(上海)双方で同時に、「人民元-日本円」の対人民元直接為替取引(2営業日後渡し)がスタートしています(従来は対米ドルのみ)。その他ロシア、マレーシア等でもそれぞれの本国通貨との間で直接為替取引が始まっています。

オフショアでの人民元指標金利の誕生

2013年6月24日より、香港市場の指標金利(HIBOR*)にオフショア人民元(CNH)が追加されました。オフショア人民元指標金利の誕生により、人民元預金、貸出、金利デリバティブ等、金利を活用した人民元商品の提供が可能になりました。
*Hong Kong Interbank Offered Rate

点心債

「点心債」は「Dim Sum債」とも呼ばれ、中国本土以外のオフショア市場、主に香港で発行及び流通するオフショア人民元建債券(ユーロ人民元債)を指し、中国内金融機関及び企業による発行には当局の許可が必要です。
一方、本邦企業を含めた中国本土以外の企業による発行は自由ですが、調達した人民元を中国内に還流する為には、別途当局の許認可等が必要になります。

パンダ債

中国において、非居住者(中国外の政府・企業・金融機関等)が発行体となって人民元建てで発行する債券の通称がパンダ債です。2005年10月に中国政府による認可を経て、国際金融公社(IFC)とアジア開発銀行(ADB)が世界で初めて発行しました。パンダ債発行は、点心債発行に複雑な手続きが必要になるものの、オンショア人民元の調達レートがオフショア人民元レート比優位な状況にある場合には、発行体の財務戦略上有効な資金調達手段の一つになり得ます。また、本邦親会社等、非居住者の信用力を背景に人民元を調達が可能な点も特色です。

CIPS

CIPS(Cross-Border Interbank Payment System)は、人民元の国際化を狙い、中国人民銀行が2015年から運用を始めた人民元建てクロスボーダー決済システムです。CIPSは、決済方式にRTGS方式を採用しシステミック・リスクを抑制している事、アジア・オセアニア、欧州等の広範囲の国と地域をカバーしている事、使用言語が英語である事等、従来の人民元決済システムであるCNAPS(China National Advanced Payments System)より安全性・汎用性等の点で優れている事が特徴です。また、香港を経由した一般的な人民元クロスボーダー決済に比べ、決済日数の短縮や、決済コストの削減を図る事が出来ます。MUFGバンク(中国)は、2016年7月に邦銀で初めてCIPS直接参加行の資格を取得しました。弊行を通じて、地方銀行各行がCIPSに順次加盟中です。弊行はお客様の人民元ビジネスを支えるべく、CIPSネットワークの拡大に努めて参ります。

債券通(ボンドコネクト)

債券通は、2017年7 月に香港返還20 周年を記念して、中国人民銀行、香港金融管理局が中心となり設計した債券投資に関わる新たな制度です。海外投資家が香港を経由し、中国銀行間債券市場で取引される債券を購入できる「北向き」のみ解禁されましたが、将来的には中国の投資家が香港債券市場に参加できる「南向き」の解禁も予定されています。これまでの中国債券市場へのアクセス手段とは異なり、債券通において、海外投資家は中国国内での口座開設が不要である事、自身の所有する専用取引端末を通じて中国国内の適格債券マーケットメーカー行と取引を執行する事、香港金融管理局が運営するCMU(Central Market Unit)を介して資金/債券を決済する事等が特徴です。この様な中国本土の外側で参加手続や債券売買を完了できる仕組みは、一部の海外投資家にとって新規参入のハードルを引き下げるものであり、債券通により、中国債券市場の更なる活性化が期待されています。MUFGバンク(中国)は邦銀で初めて債券通における適格債券マーケットメーカー行の資格を取得しました。

(2017年10月時点)

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